大動脈瘤に対する新しい治療 -ステントグラフト内挿術-
- 高齢化あるいは生活習慣の変化に伴い、動脈硬化が原因となる疾患が増加しつつあります。動脈硬化が進行すると、細い動脈では狭窄・閉塞をきたし、大きな血管では動脈の壁が弱くなり、拡張し動脈瘤を形成しやすくなります。
- 大動脈解離を除けば大動脈瘤のほとんどは破裂する直前まで無症状です。検診や他の病気で病院を受診した際に、たまたま発見されることが多く、症状がないことから軽く見られがちです。
- いったん動脈瘤ができてしまうと、それが自然に縮小することはありません。多くの場合は少しずつ大きくなり、最終的には破裂にいたります。破裂した場合には、重篤な出血性のショックをきたすため、突然死の原因となります。たとえ病院まで到着しても、手術の成績は不良です。よって大動脈瘤破裂症例の救命率は未だに低いのが現状です。
- 大動脈治療の目的は、動脈瘤の破裂を防止することです。大動脈瘤は、薬剤などの内科的治療で治すことはできません。したがって治療の原則は外科手術となります。
- 外科手術には
①人工血管置換術
②ステントグラフト内挿術
があります。