鹿児島大学病院 心臓血管外科 研究室を学生さんが見学しました。
当研究室では、心臓血管外科手術前後の分子生物学的に全身状態の変化を解析しています。分子生物学は生体内の蛋白質、DNA、RNAなどの微小分子を解析し、生命現象を解明する学問です。私たちは、特にマイクロRNAに注目して研究をしています。マイクロRNAは、DNAからRNA、蛋白質を合成する過程を邪魔します。そして、一つのマイクロRNAが、たくさんのRNAの働きを邪魔して蛋白質を合成できなくします。つまり、手術前後で変化するマイクロRNAが解れば、手術により変化するたくさんのRNAや蛋白質がわかると考えています。マイクロRNAは癌の領域では、癌細胞の転移や浸潤に関連しており、また循環器領域では、心筋梗塞などの血管の炎症との関係が言われていますが未知の部分が多いです。私たちは、手術前から周術期、術後遠隔期のマイクロRNAの変化を比較することで循環器疾患や心臓手術が全身に与えている影響を解明できると考えています。
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