末梢動脈疾患について

末梢動脈疾患について今釜医師が解説します。

1. 末梢動脈疾患とは?

末梢動脈疾患とは、手足の血管(末梢動脈)が狭くなったり、詰まったりする病気です。これにより、血液の流れが悪くなり、手足に十分な酸素や栄養が届かなくなります。最も影響を受けやすいのは脚の動脈で、歩くときに痛みを感じることが多いです。

2. 末梢動脈疾患の原因

末梢動脈疾患の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化は、動脈の壁が厚く硬くなり、血流が悪くなる状態を指します。動脈硬化は、高血圧、高コレステロール、喫煙、糖尿病などの生活習慣や健康状態によって引き起こされることが多いです。

3. 末梢動脈疾患の症状

末梢動脈疾患の症状は、病気の進行度や個人差によって異なります。以下は、一般的な症状の例です:

  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう):歩行中に足やふくらはぎに痛みや痺れを感じ、休むと症状が和らぐことがあります。
  • 足の冷感やしびれ:足や足先が冷たく感じたり、しびれを感じることがあります。
  • 皮膚の変化:足の皮膚が青白くなったり、傷が治りにくくなることがあります。
  • 潰瘍や壊疽(えそ):末期には、皮膚に潰瘍(かいよう)ができたり、組織が壊死(えし)することもあります。

4. 末梢動脈疾患の診断

末梢動脈疾患は、以下のような方法で診断されます:

  • ABI検査(足首上腕血圧比):手首と足首の血圧を測定し、その比率を比較することで、末梢動脈の状態を評価します。
  • 超音波検査:動脈の状態や血流を確認するために、超音波を使った検査が行われることがあります。
  • 血管造影:血管に造影剤を注入し、X線で動脈の狭窄や閉塞を確認する検査です。

5. 末梢動脈疾患の治療

末梢動脈疾患の治療は、症状の進行度や患者さんの全身状態に基づいて行われます。主な治療法には以下のものがあります:

  • 生活習慣の改善:禁煙、健康的な食事、定期的な運動など、生活習慣を改善することが、症状の進行を防ぐために重要です。
  • 薬物療法:血液の流れを改善する薬や、動脈硬化を防ぐための薬が処方されることがあります。
  • カテーテル治療:動脈の狭窄を拡げるために、バルーンやステントを使ったカテーテル治療が行われることがあります。
  • 外科手術:症状が重い場合、バイパス手術など、血流を回復させるための外科的治療が必要になることがあります。

6. 当院での治療体制

鹿児島大学病院 心臓血管外科では、末梢動脈疾患の診断と治療において、経験豊富な医師と最新の技術を用いて、最適な治療を提供しています。患者さん一人ひとりに合わせた治療計画を立て、早期発見と適切な治療で生活の質を向上させることを目指しています。

末梢動脈疾患についてご不明な点やご相談がある場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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