「海外で研修してみたいけど、自分にもできるのだろうか?」
「英語は大丈夫?生活はどうなる?」
そんな不安を持つ医学生も多いのではないでしょうか。
今回は、鹿児島大学病院 心臓血管外科教室のサポートを受け、アメリカ・ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で海外研修を経験した医学部6年生に、実際の体験を聞きました。
海外研修を決めた理由から英語の準備、現地での生活、印象に残った出来事まで、リアルな声をQ&A形式でお届けします。
Q1. 心臓血管外科を実習先に選んだ理由を教えてください。
医学部6年生になると、自分が希望する診療科を選択して実習を行う「選択実習」があります。
もともと外科系に興味があり、5年生の実習を一緒に回っていた友人から「心臓血管外科なら海外研修に行けるよ」と聞いたことがきっかけでした。
海外で学べる環境があることに魅力を感じ、「ぜひ挑戦してみたい」と思い、曽我教授に連絡をしました。すると、「日本人の先生がいる施設なら紹介できるよ」とお話をいただき、海外研修が実現しました。
Q2. なぜボストンで研修することになったのですか?
研修先はアメリカ・マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院でした。
実は、そこで活躍されている伊藤先生が、母の大学時代の友人でした。小さい頃から海外で活躍されている先生のお話を聞いていたこともあり、「一度見学してみたい」と考えていました。
その思いを曽我教授に相談したところ、伊藤先生との橋渡しをしてくださり、研修の実現に向けて多くのサポートをしてくださいました。
Q3. 海外研修に向けて、英語はどのように勉強しましたか?
一番不安だったのは、やはり言葉の壁でした。
心臓血管外科での研修だったため、まずは手術でよく使われる英単語や解剖学の専門用語を重点的に勉強しました。
また、英会話の練習にはChatGPTを活用しました。会話の相手になってもらいながら、実際に話す練習を繰り返したことで、現地でも積極的にコミュニケーションを取ることができたと思います。
Q4. 現地ではどのような1日を過ごしていましたか?
毎朝6時に集合し、研修医の先生に同行して一日が始まります。
最初の30分はカルテ記載を見学し、その後は病棟回診へ。8時半から9時頃になると手術見学が始まり、午前中いっぱい手術を見る日もあれば、お昼前に終わる日もありました。
午後は外来を見学したり、別の手術を見学したりと日によって内容が変わります。夕方16〜17時頃には研修を終え、宿泊先へ戻る生活でした。
規則正しく、非常に充実した毎日でした。
Q5. どのような手術を見学しましたか?
冠動脈バイパス術(CABG)、大動脈人工血管置換術、心臓弁置換術など、心臓血管外科を代表するさまざまな手術を見学しました。
さらに最終日には別の病院を訪れ、小児先天性心疾患の手術も見学することができました。
成人だけでなく小児心臓外科まで幅広く学べたことは、とても貴重な経験でした。
Q6. 一番印象に残っている経験は何ですか?
最も衝撃的だったのは、心臓移植に関わるドナー臓器搬送チームへ同行させていただいたことです。
別の病院へ向かうのかと思っていたら、到着したのは民間空港でした。そこから貸切ジェット機に乗り換え、隣の州まで飛んでドナー臓器を受け取りに向かうという、日本ではなかなか経験できない現場を見ることができました。
また、手術室だけでも48室ある巨大な手術フロアには圧倒されました。広すぎて何度も迷子になったほどです。
さらに、心臓血管外科専用の手術室が毎日6部屋稼働し、多数の症例が行われていることにも驚きました。規模の大きさと症例数の多さは、日本との大きな違いだと感じました。
Q7. 海外研修を経験して、将来の考え方は変わりましたか?
今回の経験を通して、「心臓血管外科って本当に面白い」と改めて感じました。
血管をつなぎ、その手術が患者さんの命を支えることにつながる。そのダイナミックさと責任の大きさに魅力を感じ、よりこの分野に興味を持つようになりました。
海外研修へ行ったからといって、将来必ず海外で働かなければならないわけではありません。
でも、自分の知らない医療を見て、新しい価値観に触れることは間違いなく自分の成長につながります。
少しでも興味があるなら、ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。その先には、今まで想像もしなかった世界が広がっていると思います。
まとめ
海外研修は、医学や手術技術だけでなく、医師としての視野を大きく広げてくれる貴重な経験です。
鹿児島大学病院 心臓血管外科教室では、学生一人ひとりの「挑戦したい」という思いを大切にし、国内外を問わず学びの機会を積極的に支援しています。
海外で最先端の医療に触れ、自分自身を成長させたい——。
そんな思いを持つ医学生にとって、心臓血管外科教室には新たな一歩を踏み出せる環境があります。
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