海外研修と聞くと、「英語が話せないと難しいのでは?」「現地での生活はどうするの?」「住まいは自分で探すの?」といった不安を感じる医学生も多いのではないでしょうか。
今回は、鹿児島大学病院 心臓血管外科教室のサポートを受けて、アメリカ・ボストンで海外研修を経験した医学部6年生に、現地での生活や英語、住まいなど、海外研修のリアルについて語っていただきました。
Q1. 海外研修へ行くまでに、どのような準備をしましたか?
まず最初に行ったのは、見学生として受け入れていただくための申請手続きです。
必要書類の作成だけでなく、抗体検査なども受ける必要があり、それらを揃えて提出しました。また、その段階から現地の担当者と英語でメールのやり取りが始まるので、「失礼のない英語になっているかな」と確認しながら進めていました。
そのほかには、飛行機や宿泊先の手配、そして英語の勉強ですね。振り返ると、大きく分けてこの4つが海外へ行くまでの準備だったと思います。
Q2. ボストンではどのような場所に住んでいたのですか?
本当にご縁に恵まれました。
お世話になった先生のお知り合いの先生が、ちょうど私が滞在する期間だけ日本へ帰国されることになり、「その間、部屋を使っていいよ」と声を掛けてくださいました。
シェアハウスの一室をお借りして生活していたのですが、日本人の研究医の先生と、海外の料理人の方がルームメイトでした。
日本語と英語の両方が飛び交う環境だったので、海外生活にも少しずつ慣れていくことができました。
Q3. 現地での生活はどうでしたか?
ルームメイトだった日本人の先生には、本当にお世話になりました。
「このスーパーが安いよ」と教えていただいたり、時にはサラダを分けてくださったり、生活面でもたくさん助けていただきました。
食事はスーパーでレトルト食品や冷凍食品を買って済ませることも多かったですし、先生方に食事へ連れて行っていただくこともありました。
海外生活が初めてだった私にとって、とても心強い存在でした。
Q4. 病院まではどのように通っていましたか?
宿泊先から病院までは徒歩で約15分でした。
毎朝4時30分頃に起きて、5時には身支度を整え、朝食を済ませて5時40分頃には出発していました。
朝はかなり早かったですが、静かなボストンの街を歩いて通勤する時間も印象に残っています。
Q5. 英語で一番苦労したことは何ですか?
現地に着いて最初の週末、観光ツアーへ参加したのですが、ほとんど英語が聞き取れませんでした。
「意外と聞き取れるかも」と思っていたので、その時は正直かなり焦りました。
病院へ行くまでは「ちゃんと会話できるのかな」と不安でしたし、最初は英語を話すこと自体が怖かったです。
でも、ある時スタッフの方から「君の英語は上手だよ」と声を掛けていただいたことが大きな転機になりました。
そこからは「文法が完璧じゃなくても、伝えようとすることが大事なんだ」と考え方が変わりました。
積極的に質問するようになると意外と伝わりますし、それが自信になって、さらに話しかけられるようになりました。
毎日少しずつ耳も慣れてきて、自分でも英語力が伸びていることを実感できたのは、とても嬉しかったですね。
Q6. 現地の先生方との交流はいかがでしたか?
受け入れてくださった伊藤先生には何度も食事へ連れて行っていただきました。
また、ボストンで活躍されている日本人医師の先生方との食事会にも参加させていただき、海外で研究や臨床に取り組まれている先生方のお話を直接聞くことができました。
医療の話だけでなく、海外で働くことやキャリアについてもお話を伺うことができ、とても貴重な経験になりました。
Q7. 休日はどのように過ごしていましたか?
休日はボストン市内を観光していました。
ボストンはアメリカ独立戦争ゆかりの地でもあるので、歴史的な建物や名所がたくさんあります。
医療だけでなく、その土地の文化や歴史に触れることができたのも、海外研修ならではの楽しみだったと思います。
Q8. 日本との違いを感じたことはありますか?
街を歩いているだけでも驚くことがたくさんありました。
ガチョウや七面鳥、リス、うさぎなど、日本ではあまり見かけない動物が普通に街中を歩いています。
植物や街並みも日本とはまったく違いますし、歴史ある教会も数多くありました。
医療だけでなく、街全体が新鮮で、「まるで別世界を歩いているようだ」と感じたことをよく覚えています。
Q9. 一番思い出に残っている出来事を教えてください。
日本へ帰る前日に、ルームメイトだった先生と、その研究室の先生方が隣の州までドライブへ連れて行ってくださいました。
みんなで食事をして、美しい景色を見ながらいろいろな話をした時間は、今でも一番の思い出です。
研修だけではなく、人との出会いも海外研修の大きな魅力だと感じています。
Q10. 海外研修に興味がある医学生へメッセージをお願いします。
医師として働き始めると、長期間海外へ行く時間を確保することは簡単ではありません。
だからこそ、学生という比較的自由な時間がある時期に海外へ行き、新しい価値観や世界に触れることには大きな意味があると思います。
「英語に自信がないから…」と迷っている人もいるかもしれません。
でも、私自身もそうでした。
実際に行ってみると何とかなるものですし、その経験は人生観を変えるきっかけにもなります。
海外で見た景色、出会った人、学んだ医療は、これから医師として歩んでいく中で必ず財産になります。
少しでも興味があるなら、ぜひ勇気を出して挑戦してみてください。きっと、自分の世界が大きく広がるはずです。
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